ISaGRAF Ver.4/5 のシングルタスク版ターゲットとは、どのようなものですか?


ISaGRAF Ver.4.10 より、シングルタスク版のターゲットが提供されるようになりました。

ISaGRAF Ver.4/5ターゲットの移植を行う場合、PRDK(ISaGRAF Ver.4/5開発ツールキット)の CD-ROMの target\newOS\MonoTask ディレクトリのソースを使用します。

シングルタスク版の制限事項
以下のようになります。
  • ターゲットのIXLライブラリにシンボルテーブルにアクセスするためのルーチンがありません
    したがって、シンボルテーブルをロードする、変数名からバーチャルアドレスを取得するといった機能は利用できません。シンボルテーブルをターゲットへダウンロードすること自体は可能です。
    通信ファンクションブロック(Connect, URCV_S, USEND_S)は使用できません。1台のハードウェアプラットフォーム上で、複数個のISaGRAF Ver.4/5ターゲットを起動することはできません。これはOSがマルチタスクであってもです。
    この理由は、ターゲットのコンフィギュレーションマネージャにあります。通常、同一プラットフォーム上では複数のコンフィギュレーションマネージャは同時に起動できないためです。ディフォルトの設定では、バインディングは使用できません。
    使用できるようにするには、 IsaSys\dsys0def.h ファイルで "ITGTDEF_KVB" を #define する必要があります。
TCP/IPネットワークに関する注意事項
シングルタスク版はディフォルトで ISaRSI (RS-232Cのシリアル通信)通信のみをサポートしています。ただし、修正を加えればTCP/IP経由で通信することも可能です。以下を参照してください。
  • 移植先のプラットフォーム上でイーサネットなどの通信ポートと、ノンブロッキングのTCP/IPスタックを使用可能であることが条件です。
    isxsDrvsRegistrationルーチン(IsaSrvフォルダのdixs0reg.cファイルにあります)のコメントを削除し、ETCPドライバの登録を有効にすれば、TCP/IPが使用可能になります。 以下の行を有効にして下さい。
    /* ETCP driver */
    isxsEtcpRegister(pIxsId);
    イーサネットなどが使えない場合は、エンドユーザがワークベンチでETCPドライバを選択できないようにする必要があります。
    使用するワークベンチプロジェクトのテンプレート(ワークベンチインストールフォルダの "Tpl" フォルダにあります)からETCP定義を削除してください。こうすることで、ネットワークの選択時にETCPネットワークが表示されなくなります。
    テンプレートの定義を行うときに、ディフォルトでワークベンチの "Tpl" フォルダにある "EmptyPrjmonoresource" テンプレートを使用してください。これを使用するターゲットが分かるような名前に変更しておいてください。次に、TDBuildを使用して、PLC定義 (ターゲット、ネットワーク、I/Oデバイス、C言語ファンクション/ファンクションブロック)を作成し、定義ファイルを生成して、テンプレートプロジェクトにPLC定義をインポートします。
最終更新:
2008-07-31 13:27
改訂:
1.2
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