ただし、以下のような制約に注意してください。
- 一部のISaGRAFの拡張的な機能(イーサネット通信、マルチタスク等)の実装は、プラットフォームシステムの機能や性能に依存します。
貧弱なOSや、そもそもOSが無いような場合は、シングルタスク(1個のメインループで全てを処理)の実装に限定されることになります。
ISaGRAFでは、整数の計算は全て32ビットで行われます。 このため、アナログ変数の演算が多いアプリケーションでは性能が低下します。
一般に、浮動小数点や文字列などといった重い処理を貧弱なCPUで行うのは現実的ではありません。
これらの処理は、カーネルのコードが大きくなり、レスポンスも低下します。
特にメモリの制約がない場合でも、使用するCコンパイラでサポートしているメモリモデルには注意が必要です。
例えば、8086のようにメモリアドレッシングを16ビットのオフセットで行うような場合は、アプリケーションの最大サイズは64KBを越えられません。
重要なのは、ISaGRAFを使用する上での最大のメリットは、C言語やアセンブラによる開発と比較して、
- オープンで移植性に富む高級言語によるプログラミングが可能
つまり、ISaGRAFを性能の低いプロセッサ環境に移植するのは可能ですが、実装する機能は最小限(主にブール型データ操作で、かつ変数の数も最小限とすること)にしなければなりません。